お知らせ

2020.07.21
事務連絡

臨時総合教育講演(兼認定医2種講習)ご質問の回答

臨時総合教育講演(兼認定医2種講習)の配信中に頂いたご質問に関して、回答を頂いた順に期間限定で掲載をしております。
講師の先生には、講演配信終了後にご協力をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。

2020年7月21日

日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医 認定委員会
委員長 呰上 大吾



A-4 外科療法 講師:細谷謙次 先生


ご質問者:会員
ご質問内容:猫の皮膚肥満細胞腫の切除マージンの決め方を教えてください。

回答:細谷謙次先生より
猫の皮膚肥満細胞腫のマージン設定ですが、基本的には犬と同じに考えております。
典型的な"猫のMCT"とされる、皮膚に多発性に発生する5−10mmの小結節状の病変に対しては、犬のGrade 1と同様に扱い、5mm以下の最小限のマージンをつけての辺縁切除を基本術式としています。深部マージンは皮下脂肪織のみで、筋膜をつけることも不要と考えております。
一方、小結節ではなく、1cm以上の比較的大きなサイズになるもの、皮下浸潤を伴うものなど、上記の典型的な"猫のMCT"ではなく、犬に見られるようなMCTが発生することも多くあります。このような場合には、犬のGrade2−3と同様のマージンの取り方をしております。つまり、水平方向に2−3cmのマージン、深部マージンは最低筋膜1枚としています。個々の症例において、画像上の浸潤所見や臨床的な成長速度などを勘案して適切なマージンを設定することも犬と同様です。お答えになっていれば幸いです。



B-3 化学療法 講師:小林哲也 先生


ご質問者:非会員
ご質問内容:素晴らしい講義ありがとうございました。 化学療法については自分で調べて教科書通りに使用していましたが、やはり本質を理解できずに使っていたのだなと実感できました。 日本小動物癌センターの猫のリンパ腫プロトコールを実際に用いさせていただき猫のリンパ腫の治療を行なっています。そこで質問なのですが、血液検査上問題はないが、食欲が低下しているなど症例の体調があまり芳しくない場合は投薬を延期すべきなのでしょうか、また延期すべきだとしたらどれくらいかなど何か基準などありましたらご教授お願いします。初歩的な質問ですみませんがよろしくお願いします。

回答:小林哲也先生より
猫の化学療法に食欲不振はつきものです。特に治療開始前から既に食欲不振がある猫(消化器型リンパ腫や癌性悪液質に陥っている猫など)では特に注意が必要です。
15〜20%以上の体重減少を有する猫あるいは癌性悪液質に陥っている猫では、食欲の自力回復は極めて難しいので、胃瘻チューブ、食道瘻チューブ、鼻・食道カテーテルなどを多用しています。また、軽度の食欲不振の場合、シプロヘプタジン、ミルタザピン、カプロモレリンなど、様々な食欲増進剤を使用することもあります。
もちろん、食欲以外の全身状態やCBCの結果などにもよりますが、スケジュール通りに化学療法剤を投与できるよう様々な工夫を凝らし、猫の食欲に依存しない化学療法を展開できるよう努めています。なお、ドキソルビシン投与後はマロピタントを5日程度処方しています。これらの小技は「化学療法を極める(各論)」で細かくご紹介しています。



A-2 診断学総論 講師:保坂創史 先生


ご質問者:会員
ご質問内容:配信時1:25:30のリンパ腫ネコのFeLV/FIV陽性率を示したスライドがどちらもFeLVとなっています。どちらがFeLV/FIVなのかは理解していますが、悩まれる方もいるかもしれないので一応ご報告しておきます。

回答:保坂創史先生より
ご指摘をいただきまして、ありがとうございます。スライドに誤りがありました。
下記表の右側「FeLV陽性率」は正しくは「FeLV陰性率」でした。訂正させていただきます。
大変申し訳ございませんでした。

A2Revision_200722.png


B-2 画像診断学 講師:戸島篤史 先生

ご質問者:非会員
ご質問内容:組織にもよると思いますが、超音波ガイド下でFNAする時に血液凝固系の検査はルーチンで確認されますか?


回答:戸島篤史先生より
質問ありがとうございます!うちは初診の検査でルーチンで凝固検査を行っていますのでオートで見ていることになります。個人的に友人の病院等で診療のサポートをするときなどは見ないで刺すことも多々あります。その場合、血液検査したときの部位が血腫になっていないか、そもそも疑っている腫瘍がDICを起こしやすいものではないか(血管肉腫で出血しているときとか、肥満細胞腫の臓器浸潤とか)などを考慮しています。リンパ腫を普通に疑って血小板も下がっていないようであれば刺してますね。



2020年7月28日

以上で、すべての回答を掲載いたしました。
ご質問を下さった先生方、ありがとうございました。
また、配信後にも関わらず、ご質問に回答くださった先生方に心より御礼申し上げます。

日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医 認定委員会
委員長 呰上 大吾
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