第3回 日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医l種二次試験合格者発表
| 試験実施日: | 2011年10月23日(日) |
| 試験会場: | 麻布大学獣医臨床センター(麻布大学附属動物病院) |
面接官8名による評価と認定委員会における厳正なる審議の結果、以下の1名を合格と認め、ここにご報告いたします。
日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医認定委員会 委員長 石田卓夫
合格者
111204
試験講評
腫瘍学の知識以外にも「面接」という新たなファクターが加わるのがこの二次試験です。この二次試験で何を問うのかということですが、腫瘍学の知識はもとより、臨床現場での即決即断力、そして動物の家族に対する正しいコミュニケーション、そのようなものも重視しています。じっくり机の上で考えれば容易に正しい答えが導かれるような記述問題では、臨床現場における緊迫した状況での判断力をみることはできません。したがって面接では、時間制限と面接官が目の前にいるというプレッシャーを2つ課して、いわゆる「ストレスインタビュー」という緊張下における回答を求める方式をとっています。これに対応できる人が、真に臨床現場で実力を発揮できる人なのです。したがって、あるレベル以上の腫瘍学知識を持った人を一次試験で選抜し、二次試験ではそのような臨床能力ともいえる特殊な能力をテストしているのです。
あわせて、一次試験には出題するにも及ばないやさしい臨床的知識を問う問題が面接問題のなかに配置されています。これはいわゆる「地雷」というもので、4つの試験室で2つの地雷を踏むと、二次試験は不合格になってしまいます。どのような問題が「地雷」問題かと言えば、臨床現場で働く獣医師すべてが当然知っていなければならないようなことです。したがって、腫瘍学というよりももっと基本的な内科学や外科学から問題は選ばれます。受験生は問題が「腫瘍」であるという前提で試験に臨んでいると思いますが、「地雷」問題は必ずしもそういうものではなく、たとえば貧血の存在を見逃していたらバツであるとか、DICの危険を予知できなかったらバツとか、患者の生命に関わるような重大な問題は「地雷」になります。さらに、腫瘍のことで頭が一杯な受験生が、悪性細胞でない細胞まで悪性細胞にみえてしまうことも地雷を踏む原因になります。面接官を担当していて思うことは、最近の受験生は、獣医学全般の基礎知識に欠けているということです。ですからいきなり腫瘍学を勉強するのではなく、基本的な内科学・外科学をマスターした人が勉強するべき分野であることを忘れてはいけないのです。この分野での能力を磨くためには、関連団体が主催する内科や外科分野の各種試験にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
それから、獣医師全体のコミュニケーション能力の低さの問題があります。これは学校では教えてくれることではないので、コミュニケーション法をとくに学び、練習するしかないのですが、とにかくどんなに腫瘍学の知識が豊富でもコミュニケーションができなければ相手にわかってもらえないのだということをわかってください。このような手法でI種二次の認定医を選抜していますが、これまでとても優れた人達を選抜できたと思っています。そして最近は合格者が少ない理由として、このような基準に達していない人が多いのだと思います。
日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医認定委員会 委員長 石田卓夫
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